脳神経外科
脳神経外科
「頭が痛い」「忘れっぽい」「転びやすい」「手足がしびれる」「しびれる」「喋りにくい」「時々けいれんする」「時々意識がなくなる」「めまいがする」「聞こえにくい」「目が見えにくい」「物が二重に見える」「たちくらみ」「眠い」「頭をぶつけた」・・・脳の症状は挙げればきりがないほど多岐にわたっています。
そのような様々な症状に悩んでおられる方々は是非、脳神経外科を受診してください。
当院では、このような症状に悩んでおられる方に対し、適切な診断と治療を行っています。
頭痛で悩んでおられる方は大勢います。頭痛の殆どは片頭痛や緊張型頭痛などの慢性頭痛です。しかし、頭痛の中には、数は少ないとは言っても怖い頭痛もあるので「たかが頭痛」などとあなどってはいけません。
当院では頭痛学会専門医の院長が、怖い頭痛の除外診断を行った上で、慢性頭痛の方々に症状にあった治療を行います。治療には生活習慣の改善も大切ですが、当院では漢方薬を含め様々なお薬(予防薬や鎮痛薬)を使って治療します。頭痛に長年悩まされている方々の受診をお待ちしています。
片頭痛は、生理、睡眠不足、寝過ぎ、ストレス、気圧の変化、光や臭い、アルコールなど様々な要因で誘発される頭痛です。頭痛の性状は、間欠的、発作性、拍動性で、多くの場合4~72時間持続し、吐き気や嘔吐を伴うことが多く、光・音・臭いに対して過敏になることもしばしばあります。また、頭痛の開始前に視覚症状をはじめ種々の前兆症状を認めることも少なくありません。
片頭痛は、運動やストレス管理、規則的な睡眠、バランスの取れた食事、携帯電話やパソコンの見過ぎの回避など健康的な生活習慣を維持することによってある程度の予防も可能ですが、多くの場合それだけでは限界があります。
片頭痛の治療には、鎮痛薬とトリプタン製剤による頭痛発作の治療(痛みの軽減)と、各種内服薬による頭痛発作の予防(予防治療)の2つがありますが、これらの治療、特に予防治療が、最近大きく進歩してきています。
1990年頃から片頭痛の痛み発現にカルシトニン遺伝子関連ペプチド (CGRP)という物質が重要な役割を果たしていることが知られていました。その後、このCGRPの作用を妨げる抗体薬(CGRP関連抗体薬)が片頭痛を強力に予防することが確認され、2018年に米国で承認・販売されました。わが国でも2021年に3種類の薬剤(エムガルティ、アジョビ、アイモビーグ)が承認・販売され、現在広く使用されるようになり、片頭痛治療は大きく様変わりしてきています。
これらの薬剤はいずれも注射薬で、基本的に月に1回の頻度の注射が必要です。片頭痛の方々は働き盛りの年齢であることが多く、毎月の通院は困難な方も少なくありませんが、これらの注射薬は自宅で注射(自己注射)することが可能です。自己注射というと最初は躊躇される方も多いのですが、「案ずるより産むがやすし」です。現在多くの方が問題なく自己注射をされています。
当院でも、片頭痛で苦しまれている方々に、積極的にCGRP関連抗体薬の導入を行い、良好な成績を上げています。片頭痛で悩まれている方々のご来院をお待ちしています。
ある日突然、目が回る、ふわふわして真っ直ぐ歩けない・・・、とても不安になります。このような症状は「めまい」と呼ばれます。
めまいには、メニエール病や良性発作性頭位めまい症などの内耳由来の「内耳性めまい」以外に、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍などによる「中枢性めまい」、睡眠薬などの副作用による「薬剤性めまい」、頭頚部外傷後などにおこる「頸性めまい」、ストレスなどの心因的要因によっておこる「神経性めまい」などがあり、めまいの原因は多岐にわたっています。
このため、「めまい」に襲われたら医療機関を受診して、正しい診断に基づいて適切な治療を受けることが大切です。
しびれは体の感覚が部分的または完全に消失した状態ですが、脳、脊髄、末梢神経などの病気や内科的疾患など、その原因は多岐にわたっています。急に起きたしびれ、長期間治らないしびれ、徐々に悪化するしびれは、放置せずに早めに受診してください。不快なしびれを軽減するための対症療法だけでなく、原因を特定して原因に対する原因療法を並行して行うことも大切です。
「顔がけいれんする」、「顔が痛む」、いずれも大変つらいものです。顔、特に眼の回りがけいれんする病気は色々ありますが、その多くは一過性で自然に消失します。しかし、中にはけいれんが継続し片側の顔全体に拡がるもの、両側の眼に拡がるものなど、治療の必要なものもあります。治療は、症状に応じて内服薬、ボツリヌスの局所注射、そして手術など症状とその程度に応じた治療が選択されます。当院ではボツリヌスの局所注射を積極的に行うとともに、手術の必要な方には専門医療機関への紹介も行っています。
顔の痛みも大変辛いものです。最近は、薬による痛みの治療も大変進歩してきています。
当院では、その原因を詳しく調べると同時に、痛みの治療も積極的に行っています。
「転んで頭をぶつけてしまった」、「酔って転倒したようだが記憶がない」、「頭をぶつけて出血している」などなど、頭をぶつけて心配しておられる方が大勢おられます。そのほとんどは心配のない頭部打撲ですが、時に頭蓋骨骨折や頭蓋内出血していることもあります。
また、頭をぶつけてから数か月してから症状が出てくる慢性硬膜下血腫という病気もあります。
当院では、すぐに必要な検査や処置を行うことが可能です。頭をぶつけて心配しておられる方はお気軽にご来院ください。
年齢とともに記憶力は落ちてきます。この加齢とともに低下する記憶障害は、生理的記憶障害と呼ばれ、病気ではありません。しかし、それ以上に記憶力が低下し、記憶以外の認知能力も低下してくると、生活の質が大きく落ちてきます。認知症の始まりです。
認知症には、脳の血管に問題があっておこる脳血管性認知症や、脳の神経細胞自体に問題が発生して起こるアルツハイマー型認知症などがあります。アルツハイマー病を中心に薬の治療も行われていますが、まだその効果は限定的です。認知症は予防が第一で、生活習慣の改善により予防できることが知られています。また、認知症と思われている方々の中には、水頭症、慢性硬膜下血腫、てんかんなど治療可能な別の病気の方もいます。
認知症の予防には、生活習慣の改善と生活習慣病の治療、そして認知症が疑われたら正しい診断、認知症と診断されたら正しい治療が大切です。当院では、脳の健診(脳ドック)や生活習慣病の治療などを通して、認知症の発症予防にも取り組んでいます。
「てんかん」は、大脳の神経細胞が突然興奮して起こる発作性の病気です。分かりやすく言えば脳のこむら返りです。興奮が大脳全体に広がると意識がなくなり、全身の痙攣が起こりますが、脳の興奮が一部にとどまると、必ずしも意識はなくなりません。また、意識が一時的になくなる病気は他にもあり、「てんかん」の正確な診断は、必ずしも容易ではありません。
てんかんは子供に多い病気と思っている方も多いと思いますが、高齢になってからの初発てんかんも多いのです。「隠れ脳梗塞」や「脳腫瘍」が原因となっていることも少なからずあります。意識の有無にかかわらず一時的な発作的症状があればてんかんは否定できません。そのような方は医療機関を受診することをお勧め致します。
ある日突然襲ってくる脳卒中、脳卒中は予防が第一です。予防には日々の生活習慣(食事・運動・睡眠)に気を付けることが大切です。そして、高血圧、高脂血症、糖尿病、不整脈(心房細動)、睡眠時無呼吸などの生活習慣病の治療が大切です。当院では、これらの全ての生活習慣病の治療を行っています。しかし不運にもなってしまったら一刻も早く脳卒中専門病院へ(脳卒中を疑ったら迷わずに119番へ)。
リハビリテーションを含む脳卒中の治療を終え、自宅に退院してからは、日々のリハビリテーションと再発予防が大切です。日々の生活習慣の見直しと、お薬を使った再発防止が基本です。当院では、再発防止のための生活習慣病の治療と再発予防薬の処方を行っています。
「転びやすい」「喋りにくい」「時々けいれんする」「聞こえにくい」「頭が痛い」など、脳腫瘍の症状のはじまりは様々です。脳腫瘍と一言で言っても、がんのように悪性の悪性脳腫瘍から、ゆっくりと経過する良性脳腫瘍まで様々です。
脳ドックでみつかることも少なくありません。脳腫瘍は、正確な画像診断に基づいて経過観察する場合も、治療(手術・放射線治療・化学療法)をお勧めする場合もあります。手術をせずにピンポイントの放射線治療をする場合もあります。治療の必要な場合には、当院では、適切な医療機関を紹介しています。